リストカットを依存症と見れば…
リストカットは、医学的には病気とされている訳ではありません。
しかし、リストカットはエスカレートしやすいという特徴があります。 エスカレートするということは、リストカットに依存していることになります。
そのため、依存症という見方をすれば、リストカットも病気と言って良いのかも知れません。
ある説によると、皮膚を切ると、脳内でモルヒネが分泌されるため、「心の痛み」をやわらげる作用があるとされています。
そのため、リストカットをすると、ツライ気持ちがやわらいで、ホッとした気分になれる人もいます。
しかし、それはあくまで一時的なもので、「心の痛み」を解決しない限り、根本的な解決にはなりません。
ちなみに、モルヒネとは、痛み止めと同じ作用がある麻薬物質です。
麻薬物質は、使い続けると効果が落ちるという特徴があります。
そのため、次第に回数や量が増えていきます。
リストカットは、それと同じような特徴があります。
最初は、ツライことがあったときなど、1週間に1~2度ぐらいだったのが、次第に間隔が短くなり、毎日リストカットするようになります。
そして、1日に何度もリストカットをしたり、それまで片方の腕だけだったのが、反対の腕も切るようになり、中には太ももやお腹を切る人もいます。
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リストカット依存は、いきなりやめられない!
リストカットに至った根本的な原因を解決せず、そのままリストカットを続けていると、次第に切っても気持ちがやわらがなくなります。
しかし、切らないでいると、もっとツライという状態になってしまいます。
元々、気持ちをやわらがせるために始めたリストカットですから、これは生き延びるための手段でもあった訳です。
しかし、リストカットをしても、効果が薄れてくると、生きようとしていた気持ちが無くなり、「死にたい」という気持ちが湧き出てきます。
だからといって、リストカットをやめようとしても、なかなか上手くいくものではありません。
そのため、一気にやめようとせず、徐々に回数を減らしていくようにします。
ただ、何となく「やめよう」と思っていても、やめられるものではないので、リストカット日記を付けることがお勧めです。
毎日、簡単で構わないので、どのような状況のときに、リストカットをしたくなったのか、またはリストカットをしてしまったのかを書いていくのです。
それを数週間から1ヶ月ほど続けていくと、リストカットするときのパターンが見えてきます。
例えば、「学校でイヤな事があったとき」「家庭内でケンカをしたとき」など、リストカットしたときに、起きていたことがパターン化されてきます。
逆に、リストカットのことを考えない状態のときも見えてきます。
例えば、「リビングでテレビを見ているとき」「部屋で音楽を聞いているとき」などです。
それが分かってくれば、リストカットしそうな日は、リストカットのことを考えないでいられる場所へ移動したり、リストカットを忘れていられる趣味などをすることで、リストカットを回避していけるようになります。
そのようにして、リストカットから気持ちをそらし、少しずつで構わないので、回数を減らすようにしていきます。
日記を書くのは面倒に感じるかも知れないので、日記というより、1週間の行動予定表に似たモノを作り、「何時に何があった」「何時にリストカットした」と表の中を埋めていくようにするだけでも構いません。
それだけでも、1週間が終わって見直せば、リストカットのパターンが見えてきます。
リストカットの傷跡は消せるのか?
リストカットのキズ跡を消す方法はいくつかありますが、いずれも完全に消すことは無理と言えます。
① 塗り薬
リストカットしてスグであれば、キズ跡が赤い状態なのですが、その状態であれば、アットノンと呼ばれる塗り薬で、キズ跡はかなり薄くなります。 しかし、時間が経って、キズ跡が白くなっていると、アットノンでは効果がありません。
② レーザー治療
レーザー治療は、数回に分けて行うということもあり、10万円以上は費用として必要となります。 なお、完全に消すことは無理で、ボカして目立たないようにする感じになります。
③ 手術
手術の場合は、キズ跡の部分を切り取り、切り取った部分を縫い合わせます。 その縫い合わせた部分は、長い1本の傷跡として残ります。 要するに、リストカットの傷を消す代わりに、長い1本の傷が残るという訳です。 という訳で、リストカットの傷を消すのは簡単なことではありません。 そのため、消すのではなく、傷跡を隠すという方法があります。
◆ リストカットの傷跡をカンタンな隠す方法
① リストバンドを付ける
② 長袖の服を着る
③ ファンデーションテープで隠す
ただ、リストバンドだと、洋服に合わない場合もありますし、長袖の服を着るといっても、夏場に長袖の服を着る訳にはいきません。
しかし、ファンデーションテープであれば、傷跡を目立たなくするだけでなく、防水性があるため、プールや温泉にも行けます。
ただ、これも目立たなくするのが精一杯で、よく見ると傷跡が見えますので、完全に見えなく出来る訳ではありません。
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