親は「うつ」と「うつ病」を知ることが大切
①うつとは
気持ちが落ち込みエネルギーが低下した状態の事。心の状態を表す言葉。
②うつ病とは
「うつ」を主症状とする心の病気で、気分障害と呼ばれている病気のひとつ。
中学生は、心身ともに発展途上にあるため、周囲からの影響を受けやすく、些細なことを気にして「うつ病」になることがあります。
ただ、思春期の真っ最中にいる中学生は、子供から大人へ成長しようとしているため、問題と思われる行動が発達の過程で生まれてきたモノなのか、うつの症状から現れているモノなのかを見極めるのは簡単ではありません。
そのような時期の子供は、自分の気持ちを素直に話さないことが多いため、余計に見極めが難しくなります。
中学の「うつ」は様々な症状があります。、問題行動を起こす場合、その裏側に隠れている「うつ」の存在に気付き、親やまわりの大人たちが、適切に対処することが重要です。逆に言えば、問題行動に目を向けすぎて、「うつ」であることに気付けないでいる場合もあるため注意が必要です。
●中学生のうつの症状
【精神症状】
・憂鬱な気分が続く
・面白い事や楽しい事を感じない
・全ての事に対してヤル気が出ない
・集中して考えることが出来ない
【身体症状】
・眠れない
・起きられない
・食欲がないため痩せる
・朝は元気がないが、昼頃には回復する
・終日、体がダルいと感じる
●中学生のうつに伴う症状
・家庭内暴力:親に暴力を振るったり、モノを壊す。
・食事をしない:拒食の他に、過食や嘔吐を繰り返す場合もある。
・中学校に登校できない:朝、起きることが出来なかったり腹痛等になることも。
・反社会的行為:飲酒・万引き・喫煙などの問題行動を繰り返す。
・リストカットをする:手首や腕を自分で切り付ける自傷行為を繰り返す。
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うつを解消するために!
子供が「うつ」かも知れないと感じると、親としてはかなり心配になりますが、子供の「うつ」は、ほとんどが改善解消します。そのためには、適切な処置を出来るだけ早く行うことが大切です。
自分の子供が「うつ」ではないかと感じたとき、子供に無理やりヤル気を出させるような言葉を投げかけ、子供の精神力で乗り切らせようとしても、事態は悪化するばかりで良くなる可能性はかなり低いと言えます。
そのため、親と子供本人だけで解決しようとせずに、相談すべき所に相談に行くべきです。
海外では、カウンセラーに相談することに抵抗のない人が多いですし、風邪をひいたときに病院に行くのと同じように、カウンセリングを受けるのは至極当たり前のこととなっています。
しかし、日本では、まだその辺りの認識が低いようで、精神力で乗り切らせようとする傾向が強いと言えます。
という訳で、子供が「うつ」ではないかと感じたとき、まず専門医に診てもらうことが大切です。
ただ、いきなり精神科へ行くことに抵抗があるようであれば、まず小児科か内科を受診し、身体的な原因の有無を確認します。そして、身体的には大丈夫ということであれば、親として気になっている点を医師に説明し、専門医を紹介してもらいます。
しかし、小児科や内科へ行かず、いきなり専門医に診てもらっても構いません。その際、中学生であれば、「児童精神科」「思春期外来がある精神科」がオススメです。
いずれにしても、家族だけで悩み続けることが一番やってはいけないことです。原因も分からず、対処法も分からないままでは、問題の背景にある「うつ」に気づけずにいては、いつまで経っても、問題は解決しません。どのような病気でも同じですが、早期発見・早期治療が一番です。
あと、どこへ相談すれば良いのか分からないという親もいます。そのような場合、地域には様々なサポートセンターがありますので、遠慮せずに気軽に訪問すれば、親身になって適切な対処をしてくれます。
●相談できる機関
①児童相談所
子供のあらゆる問題について対応しており、様々な機関と連携しているため、状況に応じた適切な対処法や機関を紹介してくれます。子供のことに関する総合窓口のようなイメージです。
②保険センター
子供のことに関する不安を解消したいと思ったときに相談に行く機関で、地域住民との関わりが一番深い機関と言えます。
③教育相談機関
教育センター・教育相談所などと呼ばれている機関では、親が相談に行くだけでなく、子供自身が自分の悩みを聞いてもらうことも出来ます。
④精神保健福祉センター
子供の心の問題が気になるということであれば、専門医・保健師・カウンセラーが常勤しているため、複雑な相談にも対応してもらえます。
病院などで相談するとき、正確な診断をするには、家族からの情報が欠かせませんが、診察では、基本的に子供自身に話しをさせることが大切です。あと、一度のカウンセリングで全てが分かることは希で、何度もカウンセリングを重ねることによって、原因が浮き彫りになり、治療方法を決めることも出来るようになります。
そのため、一気に治療が進まないことに苛立たず、焦らずに対処していくことが大切であることを知っておく必要があります。
という訳で、中学生のうつ病対策としては、親が病院やサポート機関に行くことに抵抗を持たないことが一番重要です。親が悩みを抱え込んでしまっても、親も子供もツライ状態から抜け出せないだけで、良い方向へ進む可能性はかなり低いと言えます。
そのため、親は他者に相談することに抵抗を持たず、相談(助けを求める)することは恥ずかしいことでもなく、悪いことでもなく、至極普通のことであること知っておくことが大切です。
それが理解できていれば、あとは先送りせずに、スグに専門医に相談するだけです。
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